宿根草の庭でも!冬に寂しくならない魅力的なウィンターガーデンを作るには
宿根草の庭を作るときに気になること。
それは冬です。
ご存知の通り、宿根草とは冬になると地上部が枯れてしまう植物。
そのため、宿根草を中心に育てている庭は冬になると、華やかだった初夏の雰囲気からは一変し、何もない寂しい季節になってしまいます。。
雪が降る地方では雪が覆ってしまうので、それでもOKなのかもしれませんが(そもそも雪国では冬はガーデニングどころでは無いですよね^^;)、ここ九州のような温暖なエリアではそうも言っていられません。
冬って一言で言っても長いです!
季節にして約3ヶ月。
その間何も無いガーデンなんて寂しすぎる…!!!
ちなみに冬に枯れた地上部を刈り込んだ実際の花壇がこちら。
http://ronaquirkybirdgardener.blogspot.com/
冬の間この状態だと何も植わっていないようで少し寂しいですね・・・
そんな時にお勧めなのがウィンターインタレストを取り込んだ冬の魅力満載なウィンターガーデン!
作ってみると新しい冬のお庭の楽しみ方が見つかるかもしれませんよ♪
では今欧米で大人気のウィンターガーデンについてご紹介していきます^^
ウィンターインタレスト(Winter interest)とは??
ウィンターインタレストとは、直訳すると冬の魅力。
海外ではWinter interest plantやWinter interest gardenとして、冬に魅力的な植物やお庭のことを指します。
冬に魅力的な植物。
イメージとしては冬に花を咲かせるもの。
例えば、日本でもコレクターの多いクリスマスローズやスキミア、マンサク、ヒイラギ南天、真っ赤に色づいたサンゴミズキなどがその分類に入ります。
甘い香りを放つヒイラギ南天
これまた良い香りでイギリスで大人気、マンサク
最近はホームセンターでも種類豊富なクリスマスローズ
そしてWinter interest gardenというと、こうした冬に花を咲かせる植物を効果的に使ったお庭のことをいうのですが、実は今人気なのは宿根草を使った冬のガーデンなのです!
ん??宿根草って冬の間無くなるんじゃないの??
とお思いの方、その通り!笑
冒頭でも書きましたが、冬の間宿根草は地上部が枯れて休眠期に入ります。
つまり、地上部は水分も無いスッカスカの枯草の状態。
お手入れマニュアルからいくと、地際で刈り取りましょう!と言われる状態ですね。
ただ実は宿根草。
種類によってはとても魅力的な枯れ姿のものが多くあるのです!
つまりは、宿根草の枯れ姿=彫刻やオブジェのようにウィンターインタレストとして楽しもう!
というのが、この今人気の宿根草版ウィンターガーデンなのです!
立ち枯れ姿が美しいウィンターインタレストとしてお勧めの宿根草は?
宿根草の立ち姿を楽しもう!といっても、もちろんどの宿根草でも良いわけではありません。
そこで、日本でも育つ宿根草で立ち枯れ姿が魅力的なものを幾つかご紹介します^^
まずはセダム。
セダムといっても、よく雑貨屋さんに売っている多肉植物のタイプではありません。
オオベンケイソウに分類される背丈の高くなるものです。
品種名でいえば、オータムジョイや斑入りのフロスティモーンが人気ですね!
https://www.naturehills.com/sedum-autumn-joy
アウクバモデルガーデンにもこちらのセダム植えています。
まだ小さな苗を植え付けて3年目なので、まだまだこの写真のように立派な姿ではありませんが^^;
ただ九州の気候でも難なく育っていますよ!
そしてこのセダムの冬の姿がこちら。
https://conservationgardenpark.org/plants/381/autumn-joy-stonecrop/
なんとも魅力的な形です!
このセダムは茎も太いため、しっかりとした形を保ったまま冬の間残ります。
宿根草を使ったウィンターガーデンにはほぼ必ずといっていいほど登場する定番種です^^
次にルドベキア。
http://www.asergeev.com/pictures/archives/compress/2012/1114/22.htm
ルドベキアが属するキク科は日本の暑さにも強いものが多いです。
花が落ちたあとは、中心の部分がボール状になって残ります。
こうしたボール状のシェイプは、同じくキク科のエキナセアにも。
https://garden.org/plants/photo/298560/
一般的にエキナセアの方がルドベキアよりも花が大きいものが多いので、よりしっかりした形で残っていますね!
ちなみにルドベキアに関してはこの記事で詳しくご紹介しています。
こうしたルドベキア、エキナセアといったキク科の仲間たちも宿根草ウィンターガーデンの定番です^^
続いてダンギク。
こちらはもともと日本に自生する宿根草のためこちらの気候で問題なく育ちます!
こぼれ種で思いがけないところから芽を出すのも可愛いポイントですね^^
こちらのダンギク、秋にその名の通り段々になった花を咲かせたあと、その形のまま冬に茶色く変化していきます。
https://blogs.yahoo.co.jp/hanadouraku2/26679855.html
ポコポコした形が何とも可愛らしいです^^
そして最後に忘れていけないのがグラス類。
グラス類は植物と植物との『つなぎ』をする大事な植物です。
その細長い葉っぱを入れるだけで、植物と植物が繋がって見え、全体に一体感が生まれる大事な役割を担います。
もし自分の花壇がごちゃごちゃしていてイマイチ冴えない…という方は、グラス類を入れてみてください。
きっと急に垢抜けたナチュラルガーデンに変化しますよ^^
そして、そのつなぎ役としてのグラスは冬にもその威力を存分に発揮します。
秋にキレイに紅葉したグラス類は、そのまま茶色く立ち枯れていきます。
これこそまさに枯草のようですので単体でみると寂しそうではありますが、全体でみるとウィンターガーデンでは欠かせない大事な植物です。
日本で宿根草のウィンターガーデンを成功させるポイントは??
いくつか冬の枯れ姿が魅力的な宿根草をご紹介しましたが、これらを使って日本でウィンターガーデンを綺麗に見せるポイントをお話しします。
まずその前に、海外でのウィンターガーデンの写真を幾つかご紹介。
http://www.emotivelandscapes.co.uk/design/deisgn-philosophy/
http://www.tomstuartsmith.co.uk/projects/public-gardens/trentham
http://www.headline-themendienst.de/details/n/den-garten-winterfest-machen-1/
如何ですか?
植物たちが霜で白くなり冬ならではの美しい姿ですね!
これらのウィンターガーデンは、まさに上でご紹介したような宿根草を組み合わせて作ったもの。
晩秋に枯れた部分を切り戻してしまうと地上部に何も残らない状態になってしまいますが、それらをあえて残すことで、冬にしか見られないセンチメンタルでどこかノスタルジーを感じさせるウィンターガーデンになっています。
ナチュラルな雰囲気でとても素敵ですね^^
ただ、現実として、、、
ここ日本で、特に私たちアウクバが拠点を構える九州のような温暖なエリアで、このような見事なウィンターガーデンを作ることは少々難しいです。。
冷え込みがそこまで厳しくないせいかどこか全体的に手入れしていないだけ、といったイメージに^^;
湿度が低いので、うまく立ち枯れるものは立ち枯れるのですけどね・・・
そこで!
私たちがお勧めするのは、常緑樹やコニファーを取り入れたウィンターガーデン!
これは、冬の間だけ、ということではなく年中を通していえることになるのですが、日本の温暖なエリアでは苗がギュッとしまった状態になりにくく、成長期も長いため宿根草は全体的にもっさりした形になりがち。
そこで、常緑樹やコニファー、低木を入れておくと、それがオブジェの様に宿根草の中で効いてくれナチュラルな中にも整然としたイメージを与えてくれるのです^^
それが冬の間もそのまま助けてくれる、というわけです♪
実際の写真がこちら。
http://garden-911.com/category/winter-garden/
上でご紹介したセダムやグラスの立ち枯れ姿を取り入れつつも、周囲のコニファーがフレームとしてきちんとしたイメージです。
他にも、
https://www.gardenista.com/posts/garden-visit-at-home-with-maria-sundstrom-in-sweden/
こちらは常緑の生垣とボール状に刈り込んだボックスウッドが冬の間もしっかりとした存在感を放っています!
常緑をうまく取り入れている例ですね^^
このように、普段からお庭に芯となる植物を入れつつ、宿根草でその周囲を埋める、というイメージを持っていると、立ち枯れした宿根草の美しさをプラスしたウィンターガーデンを作ることが出来ますよ♪
参考にしてみてくださいね^^
ちなみに過去ブログでもウィンターガーデンについてお話しています