アウクバの外構工事・造園工事コラム

宿根草が育たない!原因はポットサイズかも?

宿根草が育たない!!実はポットサイズに問題が!?!?

 

 

憧れの一戸建て、憧れの庭、憧れのガーデニングライフ!

園芸店に行って可愛い苗を沢山買って、いざ育ててみると…

 

あれ??

雑誌に載っているようなのと全然違う…

育てやすい植物、宿根草ってネットには書いてあったのに育たない…

花が咲かない…

どうして????

 

?????

 

このハテナ、ガーデニングをしている方だと一度は感じたことのある疑問点かもしれません。

 

植えた場所が悪いの??

土が悪いの??

育て方が悪いの?????????

私には無理なのかな…

 

 

諦めるのはちょっと待ってください!

実は、宿根草を含め植物がうまく育たない理由、それは育て方ではなく、もっと根本的な問題があるかもしれません。

今回は育て方といったテクニックの部分ではなく、ポットサイズからそれを考えてみたいと思います!

 

 

 

大きく買って大きく育てよう!ポットサイズのお話

 

 

日本におけるポットのサイズ表記について

 

まずはポットのサイズ表記についてご説明します。

 

お店で売られている植物はほぼ全てポット、つまり鉢に入れて売られています。

卸のお店なんかでは根鉢(土と根が固まった状態。大きな樹木や土の中で管理している場合はこれが多い)のまま売っているところもありますが、これは例外。

身近なものは大小問わずポットに入っています。

そしてそのポットサイズ。

これが実に様々。

 

ざっと並べてみると…

中部農材株式会社HPより http://www.c-n-k.co.jp/l_pot/

 

沢山ありますね!

一番小さいもので直径6センチ。一番大きいもので直径36センチです。

そして、日本ではこのポットのサイズ単位を、もしくはで呼びます。

この号と寸。

園芸業界では同じ意味ですのであしからず…

人によって号だったり、寸だったりします。

ややこしいですね^^;

 

ちなみに、1号(1寸)が約3㎝。

つまり、3号ポットだと、直径9センチのポット、という意味です!

3㎝刻み!と覚えておくと分かりやすいですね^^

ということは、上の写真の一番小さなポットは、直径6㎝。

つまり2号サイズ。

一番大きなポットは36㎝なので12号ということになります^^!

 

 

 

イギリスにおけるポットサイズについて

 

ちなみにイギリスではどのような単位で呼ばれているのでしょうか??

イギリス、及びヨーロッパ圏では、ポットサイズはリッター(litre)で表現されています。

だいたい、9㎝からはじまり、1litre、2 litre、3 litre・・・と上がっていきます。

その大きさは、13㎝、17㎝、19㎝…です。

向こうは単位がセンチではなくインチなので、大きさの上がり方が少々難しいですね^^;

 

 

ちなみに分かりやすい図がチェルシーを運営するRHS(イギリス王立園芸協会)のサイトにありましたのでご紹介します。

(https://www.rhsplants.co.uk/html/pot_size.htm)

 

 

9㎝ポットです。

主にハーブ類に使われると書いてあります。

 

 

 

2リッターポット(直径17センチ)です。

一般的に宿根草に使われるサイズです。

 

 

 

4リッターポット(直径20センチ)です。

一般的にバラ用のポットとして使われます。

 

 

 

10リッターポット(直径28センチ)です。

小さめの低木に使われます。

 

 

 

50リッターポット(直径50センチ)です。

しっかりと成熟した低木、小さめの中・高木に使われます。

 

 

 

100リッターポット(直径60センチ)です。

しっかり成熟した中木、小さめの高木に使われます。

 

 

 

500リッターポット(直径104センチ)です。

高木に使われます。重さは何と軽自動車ほど!

チェルシーフラワーショーではこのサイズの樹木が使われます。

 

 

とまあ、最後に500リッターポットを載せるなんてイギリスらしいですね^^;

こんなサイズ、日本では園芸店で見ることはほとんどありえません。

軽自動車って…笑

でも、最後に書いてあるようにチェルシーなどのショーガーデンでは、しっかりとしたインパクトを出すように、このサイズのものが一般的に使われます。

ガーデンによっては、もっと大きいサイズが運ばれることもありますよ!!

さすが園芸大国、スケールが違います^^;

http://www.sungardening.co.uk/mainnews.php

 

 

ちなみに、アメリカではGallon(ガロン)が使われます。

その国その国で違いがあって面白いですね^^

 

 

 

 

日本で一般的に使われるポットは?海外との違いは?

 

さて、日本と海外のポットサイズが分かったところで次の問題です。

 

日本で一般的に植物を売る際に使われているポットサイズをご存知ですか??

 

園芸店で植物を買ったことがある方ならすぐに分かりますね!

そう、9センチポットです。

このサイズ、見覚えありますね。笑

 

もちろん品種によっては大きなポットで売られているものもありますが、日本では一年草は当然として、宿根草、野菜苗など大体の苗がこの9センチのビニールポットで売られています。

 

 

では一方イギリスではどうなのでしょうか?

 

上でご紹介した写真にも記載していますが、向こうで売られている宿根草の苗は2リッター、もしくは3リッターの大きさです。

つまりは17センチ、もしくは19センチ。

https://www.grasslands.co.uk/anemone-hyb-honorine-jobert-2-litre-pot.html

 

こうしてみるとその違いは一目瞭然ですね!

 

向こうでは園芸店だけでなく、ホームセンターなどでも売られているのは基本的にこのサイズになります。

https://www.hillier.co.uk/garden-centres/locations/newbury/

 

 

では日本と違い、何故イギリスでは大きなポットで売っているのでしょうか?

このポットサイズがスタンダードである、その大切な理由について、次でご説明していきます。

 

 

 

 

 

簡単かつ元気に育てるためには大きなポットが不可欠!その3つの理由

 

 

1、根っこに十分なパワーが蓄えられている

 

まず大きなポットで売られているその一番の理由。

それは大きなポットの苗の方がより密な根を持っているからです。

 

日本で売られている9センチポットと、イギリスで売られている2リッターポット。

これを土の容量に換算すると、9センチポットの方は約0.3リットル。

一方2リッターポットは約2.2リットル。

実に7倍の土の量の違いがあるのです!

 

これだけ違っていたらそりゃ根の張りは違いますよね^^;

 

 

ちなみに海外サイトの分かりやすい比較画像として…

http://forcii.com/blog/renovating-your-cooking-area-should-you-hire-a-designer/

 

https://www.coblands.co.uk/articles/1-care-planting-guides/140-pot-size-guide

 

上の1枚目の写真はボックスウッド(西洋ツゲ)のポットごとの比較例です。

9センチのポット例は無かったのですが、矢印で書いてあるものが比較的似た10センチポットです。

10センチポットと2リッターポットの間には一つしかないですが、それでもかなり大きさの違いを感じ取れますね!

 

 

2枚目の写真はイギリスのナーセリー(苗の生産者さん)から頂いた写真です。

これはまさに9センチと2リッターポットの違い。

苗はラムズイヤーですかね?

右側の大きなポットのは見るからによく育ちそう!

 

 

この様に、ポットの大きさが違うということは根の張りが違うということ。

根の張りが違うということは、その植物の体力が違うということ。

植物の体力が違うということは、植えた後の育ちやすさが違うということ。

 

つまりは、買ったポットの大きさでその植物の体力、育ちやすさが変わってくるということです!

 

まだ宿根草が休眠期に入っていない段階の秋に植えて、冬の間に根を充実させるのであれば、小さなポットからでもある程度の強さは見込めます。

 

ただ、春に植えたり初夏に植えた苗の場合、十分に根が張る前に過酷な夏が来る…

結局その試練を乗り越えられずに枯れてしまう…ということが頻繁に起こってしまうのです。。

 

 

2、植えてすぐ1年目からお花を楽しめる

 

2つ目のメリットは宿根草における特徴から。

 

実は宿根草、まだ苗が小さなうちは花を咲かせないものが多いです。

ある程度株が充実して、それでようやく花をつける準備ができるんですね。

そのため、9センチの小さなポットで植え付けると花が咲くまでに1〜2年かかってしまう。。

その一方、大きなポットのものだと、植えつけたその年から花を楽しむことができるんですね♪♪

 

 

ちなみに、アウクバモデルガーデンに植えたルドベキア、バプティシアなども植えつけて2年後にようやく花をつけ始めました!

そして今後また株が充実することでより見応えのある大きさになっていきますよ^^

 

ちなみに、こうなってからようやく本に載っている様な姿になります!

つまり雑誌でよくみる宿根草のあの姿は、植えつけて数年が経った姿なんですね〜

もし仮に9センチポットから作ろうと思うと…

最低でも5〜6年はかかるかもしれません^^;

 

 

3、植えた直後も寂しい印象にならない

 

3つ目の理由、これは2つ目にも繋がることですが、植えた直後からしっかりとした景色を作ることが出来ることです。

要は、最初からしっかりとしたインパクトをガーデンに与えてくれるということ。

 

ちなみに、これは私たち造園業者にとってとても大事なメリットです。

 

ローメンテナンスでお花を楽しめる宿根草ガーデンをお客様に作ってあげたい!と思っても、9センチのポットを植えただけでは寂しすぎて風景が作れない…

ただ最初寂しくないように、とたくさん植えたのでは、宿根草が育った時に過植、つまり植えすぎて混み合った状態になってしまう…

 

とても難しいジレンマです。。

 

その点、大きなポットのものを最初から植えておくと、最初からガランと寂しい風景にならず、さらに成長しても植えすぎ、ということも無い理想的なバランスで植栽をすることができるのです!

 

 

 

ちなみに、以上の3点のメリットとは別に、興味深い記事を見つけました。

 

小さなポットの植物は葉の量も相対的に少なくなるため光合成できる量が減り、成長が緩やかになる一方、2倍大きなサイズのポットはなんと比較して40%も成長速度が速くなるそうです!

 

40パーセント!

すごいですね!

 

ただ実体験でも、鉢で育てている植物を一回り大きな鉢に植え替えた時にはぐんっと一気に成長する感覚があります。

根が伸びるからだと思っていましたが、光合成の量によって変わってくるのですね!

 

 

ちなみに引用記事はこちらです。

What bigger plants? Get to the root of the matter

英語ですが興味深い記事なので、よろしければどうぞ!

 

 

 

 

大きなポットはどこで手に入る?

 

最後に、ではそんなメリットたくさんの大きなポットの入手方法についてお話ししたいと思います。

 

結論からいうと・・・

ありません!

 

えっ!?無いの?!!?ですよね^^;笑

 

正確には、育てている生産者さんもいます。

ただ、一般的に入手しやすい園芸店や通販で見つけることはかなり難しいと思います。

(一部では大苗として売られているものもありますが、それでも2リッターポットほどの大きさがないものがほとんどです。)

 

じゃあどうすればいいの??

私たちも長い間この疑問を抱えつつ・・・

アウクバガーデンでは自分たちで作ることにしました!!

 

そうです、生産です!

 

これは私がイギリスにいる時から温めておいた構想なのですが、

より宿根草の魅力を伝えたい

より見応えのある植栽を作りたい

という思いから、この生産部門を立ち上げようと準備を着々と進めています。

 

まずはアウクバの植栽工事で使う量から、そして次は圃場で月に一度販売する程度まで、とりあえず出来るところから広げてみようと思います^^

 

最終的にはネット販売も…??

 

は分かりませんが、実際にある程度の形になりましたら随時ホームページでお知らせしていきたいと思います^^

 

 

イギリスの宿根草文化を担う大きなポットサイズ

この文化を日本でも導入できるよう頑張ってみます!

 

 

 

 

 

 

 

 

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アウクバガーデンは福岡県遠賀郡遠賀町で外構・造園工事を行っている小さな会社です。
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